最近はテレビで、家庭用のLED電球のCMを見かけることが多くなりました。LED電球は、白熱球と比べて消費電力が少なく、省エネ性能に優れています。また、耐久性も高く、二酸化炭素の排出量が少ないのが特徴です。いずれは家庭でも、このLED電球が主流となるのは間違いないでしょう。
しかし、売り場でその価格をチェックすると、やはり、まだ高すぎるのは否めません。ポピュラーな100形のLED電球だと、7,000円近くします。電球1個でこの価格であるというのは、ハッキリ言って「無茶」です。この値段の高さを見れば、CMにのせられて家の電球をすべてLEDに交換しようという人もいないと思いますが、基本的に現状では「保留」スタンスでいるのが無難でしょう。
そもそも業界では、LED市場がこれほど早く立ち上がるとは予想していませんでした。その前段階として、電球型蛍光ランプへの切り換えニーズを中心に考えていたのです。ところが、ECO志向の高まりから、トレンドは一足飛びにLEDへと流れ、予想外の展開になったといえます。
ちなみに、LED電球と電球型蛍光ランプとを比べると、消費電力では本当にわずかな差でLEDのほうが勝っているという程度です。いずれも白熱球と比べれば、大幅な消費電力の節約が実現できます。
●60形電球の場合
電球型蛍光ランプ 価格1,180円(定格消費電力10w)
LED電球 価格3,080円(定格消費電力7.5w)
●100形電球の場合
電球型蛍光ランプ 価格1,780円(定格消費電力19w)
LED電球 価格6,980円(定格消費電力11w)
価格は実売価格であり、あくまで1例にすぎません。しかし、ほぼ同じ省エネ性能であるのに、この価格の差はあまりにも開きがあります。もちろん、電球型蛍光ランプにも点灯してすぐに明るくならないといった弱点はありますが・・・。
しかも、LEDはスポットライト・タイプの照明には向いていますが、周囲を全体的に明るくするのには、現状では不向きといわざるを得ません。メーカーでも改良を進めていますが、間接照明などで使用すると明るさが足りなくなったりします。
ある大型量販店の店員さんも昨今のLEDについて、声をひそめてこう話してくれました。
「売っている側がこう言うのもなんですが、まだ、LED電球はあまりオススメできません。それよりも電球型蛍光ランプのほうが価格もこなれていますし、いまの段階では蛍光ランプを選ぶのが正解だと思いますよ。電灯をつけっぱなしの場所とか、交換が難しい場所(LEDはなかなか切れない)とか、用途に合わせてLED電球にするという手はありますけど・・・」。
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