常に二者択一を迫られる、ストレスだらけの日常。せめて大好きな「散歩」くらいは、途中で立ち止まり、振り返り、あえて小さな路地に迷いこみながら闊歩したい。 ゆっくりと自分の目線で眺めながら歩いてこそ、見えてくる何かがあるはず?!

2010年5月5日水曜日

◆久しぶりの箱根湯本で


 ずいぶんと昔の話ですが、会社勤めをしていたころに、よく箱根湯本で日帰り温泉を楽しんでいました。朝早く目が覚めて「会社行きたくないなぁ」と思ったら、新宿7時発のロマンスカーに乗り込んで箱根湯本に逃避行。駅前の公衆電話(時代が古い)から、「ちょっと体調が悪いので、今日は有給休暇ということに・・・」と、会社に連絡しました。もう時効なので白状します。元同僚・上司の皆さん、すみません。

 そんな逃避行でたまたま見つけたのが、日帰り温泉施設「天山の湯」でした。駅から少し離れているため、当時は主にバイク乗りの間の口コミでにぎわった施設のようでした。確か入湯料は700円くらいだったと思います(現在は1,200円)。男湯には地熱を利用した窯作りのサウナがあります。陶器窯を連想させる小さな入り口から窯の中に入り、塩を身体にまぶしながら燻られます。中に敷かれている「むしろ」の匂いが好きで、休日などもよく通っていました。

 箱根湯本付近の散策も楽しいものです。石畳が残る旧東海道や、箱根ベゴニア園、ひなびた山寺・阿弥陀寺、塔ノ沢あたりの散策もオススメ。ただ、川をはさんだ山々はどれも険しいので、軽い山登りをするくらいの覚悟で行かないとへばってしまいます。「天山の湯」は川沿いに位置していますが、歩いていくとひと山こえる道のりです(駅前からの送迎バスもあります)。

 久しぶりの箱根湯本でしたが、駅は増築され、川には敷石を置いて流れを美しく見せる改修が行われたようです。ただ、川沿いなどを歩くと、依然、廃業した宿泊施設や従業員住居が放置されていたり、取り壊して更地になっている場所もあり、一時のにぎわいを想像すると、どこか寂しげな雰囲気が漂います。

 一方では、地元の生活エリアに立派なリゾート物件ができていたりして、街の活性化の足音と同時に、バランスを見失った地方の静かな悲鳴が聞こえてくる気がしました。いま、日本のいたるところで同じような現象が起きているのでしょう。

 でも、そんなことをいう私自身は、神楽坂という東京の下町に新しくできたマンションの新参者。批評家ヅラしたことをいえる立場にありません。ただ、自分が好きでねぐらをかまえた神楽坂に、なにか少しでも恩返しができればと考えています。
この季節の山々は、新緑と常緑樹の葉が合わさって立体感のある景色が楽しめます(天山の湯付近で撮影)

0 件のコメント:

コメントを投稿